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他の登場人物より老成している表向きの主人公、坂田銀時は過去も現在も受け入れて何事に於いても達観してて、読者視点の裏主人公・志村新八にその全てを叩き込んでいつか去っていくマンガだと思ってた。
割と最近まで。
でも違った。
誰よりも逃げてて誰よりも見失ってて誰よりも悩んでて誰よりも雁字搦めで誰よりも後悔してて誰よりも必死で誰よりも前に居て未だ乾いて落ちることのない泥の中をそれが前か後ろかも分からないままもがき続けている一人の人間だった。
自分で自分を理解しているからこそ、迷うことなく真っ直ぐ信じてついて来る神楽や新八を同じ泥の中這い蹲らせるわけにはいかないと偶に突き放したり嘘を吐いたり、自分に都合のいい距離を保とうとするんだと思えば納得がいった。
唯一の計算違いは後ろをついて来ていると思っていた二人がいつの間にか隣で一緒に苦しんでいたこと。隣に居ると思っていた新八がいつの間にか自分の前に居て、自分はその背中を見る位置に居たこと。
自分ができなかった、新八の『師を背負うことのできる背中』を見て、自分の愛刀・武士の魂を託す銀さんの表情がせつなくて見ていられない。本誌で一度しか見てない。
凄く眩しそうに、嬉しそうに、悔しそうに、羨ましそうに、満足そうに。
今思い出して文章にしているだけで目頭が熱くなるから困る。
そんな二人のやりとりを見つめる神楽の1コマ1コマはもっと駄目。
吉原篇、新八の前で『もっと強くなりたい』と泣いていたシーンがどうしても過ぎる。
新八の芯の強さは証明された。銀さんを護ったのだから。
『自分はどうだろう』なんて、考えてなければいい。
今回の話の中ではきっと、新八とおびわん兄様を見ていた神楽には心底堪らんかったんじゃないかと。
新八は半身どころかほぼ全域を他人に支配されたおびわん兄様を、自分の心の強さを以って最終的には自分達のよく知っている「はじめ兄」に戻すことができた。
でもその命までは護れなかった。
たぶん色々考えただろうと思う。今でも自分の意思を以って家族から離れていった兄をどうにかしたいと思ってると実の父親に悟られているように。
新八見て自分も自分の手で決着つけなきゃならないと思ったかも知れない。例え命のやりとりをすることになったとしても。
ちょこちょこコマに描かれる神楽のカットを見る度に胸が痛かった。
銀さんの隣を歩いてる表情なんかじゃなかった。
大抵の話は(今となっては金時篇も)読み返せるのに、今回の話は次の話の為に張られた伏線が無事ハッピーエンドを迎えるまでは読み返せそうにない。
神楽の孤独に耐性が無いので本当に最後まで読むのが辛すぎた。
普段の日記とテンション違いすぎてごめんなさい。